らき☆すたキャラ処女喪失年齢考察

 今日、私はmixiへ潜入した。何が目的か、それはタイトル通り「らき☆すたキャラの処女喪失年齢」を考察する為だ。ブログだとひとりぼっちで(村民ではないので)そんな議論を交わすコミュニティも形成できないので、困って規約を破ってまでmixiに潜り込み、コミュニティを作成した!



 我ながら、なんとも素晴らしい画像を作ってしまったと思った。大学のクズサークルでクズに処女を奪われることを痛烈に批判したこのチープなペインティング。ただ、「すごい」としか褒めようがない。もっとも、私を「B'z聴いている奴全員死ねよ(笑)」「俺が頭良いんじゃなくて周りの奴が馬鹿すぎんだよ(笑)」などの馬鹿と同列に語っている馬鹿には、永久に理解できないだろうが。
 おっと、つい癖で妬みへ話がずれてしまった。以下はコミュニティの説明である。

 「らき☆すた」に登場するキャラクターの処女喪失年齢を推測、考察しましょう。
 一キャラクターにつき一トピック作成し、そこで考察をします。考察したいキャラのトピックがない場合、自由に作成されてかまいません。タイトルは規範に添ってお願いします。
 キャラだけではなく声優の処女喪失年齢の考察も行えたらおもしろいかな、と思っています。声優は担当キャラのトピックにてお願いします。
 他コミュニティに喧嘩を売りつつ、頑張って行きましょう


(キャラクター名略)


 ……上記のリスト表がクズのように揃っていなくて、クズのように見づらいのは某コミュニティから引っ張ってきたからです。
 それではどうぞ。

 そして、mixiコミュニティ恒例の「初めまして」トピックがこれだ。

 この設定、こうして今自分で見ても、神々しささえ感じてしまう程すばらしい。まず、設定がリアルだ。リアリティでなく、「リアル」だ。このリアルっていうのは、はてなダイアリーを見渡せば……すぐに分かると思う。そして、なんとも議論が活発しそうな感じが滲み出ている。汗や油、体臭までもが、伝わってくる。



 そして肝心の、キャラクターのトピックだが、「泉こなた」と「柊かがみ」の2大人気キャラで迷ったのだが、一番恋愛に興味のなさそうな(……とオタクは本気で思っている)「泉こなた」にした。

 画像を見ただけで、ディスプレイを破壊したくなるセレクトセンスだ。



 そしてこれが肝心の本件。
 いやいや……もう本当、読んだだけで涙が出そうなくらいに、素晴らしい。杉田かおるの発言を引用するあたり、只者ではない何かを感じさせられる。自分に平伏したくなる……。そして、泉こなた好きであり平野綾好きを怒り狂わせる手法。「追記」のやり方なんて、オーソドックスなやり方とはいえ怒ってしまうだろう。



 これで準備は整った。どこからでもかかって来い! という精神で、コミュニティの説明にもあるように、別のコミュニティへ喧嘩を売りに行った。

 

 そう、彼らの聖域へ!そして、あくまで慎重に、丁寧にトピックを作成した。

コミュ宣伝)処女喪失年齢考察
 こんにちは。新設コミュニティの宣伝をさせて頂きます。
 「らき☆すたキャラ処女喪失考察」というコミュニティを新設しましたので、興味がある方は、是非参加してください。損はさせません。よろしくお願いします。
http://mixi.jp/view_community.pl?id=2557009

 (画像は面倒なのでやめた)
 ククク、反応が楽しみだぜ! とディスプレイ前で掟ゲンドウの真似をしていたら、すぐにレスポンスが。

2007年08月30日21:43
すごく興味が沸きました。いろんな趣味をお持ちの方がいらっしゃるなぁ、と。
どうせなららき☆すただけじゃなく総合的にやったらいかがです?<<

 私の一番苦手なタイプだ。建設的なつもりてちっとも建設的でない。何というクズ。まぁ、想定内だったので、すぐさま返信をした。

2007年08月30日21:53
 語弊のある言い方になりますが、「らき☆すた」のような中身のない作品だからこそ楽しめる行為だと思っています。そしてこれは、ライブだからこその醍醐味もあります。なので、放送中で一番中身のない(キャラクター性が強い)、「らき☆すた」を取り上げました。
 ……と言っても、あと数話で「らき☆すた」も終わってしまいますので、その案について向き合わなければ、と思っています。

 「皮肉ではなく」を皮肉として使う自己完結馬鹿をくすぶる一段落目。そしてあくまで相手の意見を尊重する二段落目。最高にクールだ。
 そしてしばらくすると、同じ方からレスポンスがついた。

2007年08月30日23:08
アニメは終わってもDVDやらネット配信やらでの視聴者はまあいると思うんですけどね。
コミュとして繁栄させるなら総合板にして、その中にトピで「らきすた〜」とか「ハルヒ〜」とかでやった方がスマートなんじゃないかなと。あなただけのコミュじゃないし、いろんな趣味をお持ちの方がいるんですから。
すみませんなんか偉そうな事書いちゃって。ああ恥ずかし、明日には消します


 これを見て、私は急にさめた。何とまぁ、こいつらのつまらないことだろう。私がわざわざこんなおもしろい遊び場を最高の環境にし、提供してやったというのに、この反応の薄さ。「らき☆すた」なんていうアニメはキャラクターが全てなのだから、そこに全力を注いで想像力を使い楽しむべきなのに。こういう奴らが「キャラを汚すな」だの言うのだろうか? mixiも通報されるまえに、とっとと退会した。
 結局、コミュニティへは一人しか入会してくれなかった。しかも、参加コミュニティの9割がアダルトな物だ。はぁ〜、なんだかなぁ〜。しょうがない、こんなことをしてくれる人は「らき☆すた」ファンには少なかったのだろう。これからもここでちまちま書いていこう。目指すは最終回までに全キャラ制覇だ。

 で、最後に。実はここからが本題なのですが、誰か「らき☆すた処女喪失辞典」作りませんか? ご連絡待っています!







 とりあえず、私ぐらい鋭く考察したいのならこの二つは是非チェックして欲しい。私は全く触れていないけど、為になるはずだ!(私の)

ビッチvsDQN

ジャブローの風の噂 大股開きでローアングラー大興奮・・・そしてもみくちゃに

撮影したり服に触れた男性への批判が多いみたいだけれど、どうでもいいんじゃないかなあ。撮影した側も撮影された側も○○度は大して変わらない気がするよ(おっと)。
しかしこういうのを見る度に思うのだが、こういうカメラ小僧タイプでない二次元萌え〜なオタクはこういう光景をどう思っているのだろうか。「3次元死ね!」とか言っているくせに(冗談だろうけど)、やっぱり釘付けになっちゃうのだろうか(目的はカメラの人と同じで)。
今まで気づかなかったけど、秋葉原はいろんなオタクが入り混じっているので日夜「これだから萌えオタクは」「これだからパソコンオタクは」と、道行く人の容姿や言動をチェックしながらゲームが行われているのかもしれない。
・・・まあとりあえず、ビッチさんとDQNにはこれからも頑張って秋葉原を活性化していって欲しい。

モバゲーでメンヘル自慢する馬鹿に素晴らしい企画を提案してみた

 以前書いたように、私はメンヘル自慢をする馬鹿を見るためにモバゲーをしている。性別問わず浅く仲良くなるのが唯一の特技だと自負しているジショウ中高生研究家の私は、モバゲー内に無数に溢れているリストカッター(「メンヘル自慢する馬鹿」は格好悪いのでこれで)とのお友達関係を築いて、たまに茶々入れたりフォローしたりしながらも生態観察を頑張っていたのだけど、昨日全てが破綻してしまった。


 彼女達(サンプル数30人)が書く日記のほとんどは、「病んでいる」「死にたい」「恋愛運がない」「椎名林檎の歌詞が心に沁みる」「また切っちゃった」「今日はトランキライザーを数錠服用」みたいな文章に、各個人サイトでお馴染みの虚ろな目をアップで撮った写真もしくは綺麗な無数のラインの写真が添えられているような酷い内容の物で、栗の花に精液入れられる事だけがリアルのお前らは黙ってろよ笑い。と毎回ながらに感じていた。実際にそれを言っても意味がない事は知っているので、三点リーダを嫌味なほどに多用して薄いリアルさを醸しながら「今度はもっと深くやってみ!」的な、コメントと言う名のエールを贈ったりしていたんだけど彼女達は実際に行為には至ることはないとはいえ、私のコメントに怒ることもなく普通に対応してくれるのでもうちょっと踏み込んでも大丈夫なのではないか、と思い足を入れてみたのだが、そうしたら完全に失敗してしまった。


 始まりは、参加者が全員リストカッターバトル・ロワイヤルってすごくおもしろそうだな、という妄想からだった。次第に妄想は膨らみ、あいつら死にたい死にたい言っているくせに誰よりも自殺を恐れて誰よりも殺しに勤しみそうだなープププーという最低の妄想から転じて、「『自殺したい』と日記で垂れ流しているリストカッターと、ロリコン死姦願望者の需要と供給って一致するじゃないか。その相手を相互に見つけられるサービスがあれば完璧だ!クズが減る!」という企画を考え付いた私は、この素晴らしい企画を彼女達に是非教えてあげよう!彼女達程度のモラル意識なら本当に作りだしそうだ!と思い立ち早速モバゲー内のリストカッターの友達全員(30人)の日記に企画の旨を伝えるコメントをしてみた。


 数十分掛け行動が終わり、「久々に良い仕事をした!宿題を夏休み初日に徹夜でやり切ったときより充実感がある!」とベッドに寝そべり携帯電話を眺め悦に入りながら目を閉じ、きっとみんな私の企画に唸るぞ!やったー。と妄想をしていたら、疲れからかいつの間にか眠りに落ちていた。


 次に起きたのは1時間後。短眠な私はいつも睡眠が浅いのだが、疲れから考えても普段よりも少しばかり早起きだった。それはおそらく、私のしたあのコメントに対するみんなの反応が楽しみであったからであろう。そんな自己分析をしながらベッドから起きる事もなく、早速携帯電話に手を伸ばしモバゲータウンにアクセスしてみた。しかし、私の目に映ってきたのは私の期待にかなり反していた物ばかりであった。


 「お前最低」「馬鹿にするのもいい加減にしろ」「無神経」「クズ」「通報した」「死ね」


 コメント欄に並ぶは並ぶ低俗な中傷の数々。日記を書いている本人だけではなく、そいつの取り巻きも駆けつけており、すっかりコメント欄が炎上とも言うべき状況になっていた。しかもその大量のコメントの中には一人も私の意見に賛同する者はおらず、全てが全て私に向けられた中傷でしかなかった。私が企画を書いて渡った全てのコメント欄を見ても、みんな反応は同じ。コメント欄だけではなく、果ては私の伝言板(個々のユーザーページに付けられたコメント欄。もしくはBBSのような物)までもが、もう原爆でも落とされたかのような悲惨な状態になっていた。オー、エムジー。何故、何故なんだ。私は素晴らしい企画をわざわざ無償で教えてあげたのに!ひどい、ひどすぎる!自己を全否定されてしまったかのような気分に陥った私は悲しくなり、全てのコメントを見るのも無駄と判断しモバゲーを閲覧するのをやめ携帯を手から離した。


 そうして数十分後、大量に受信しているメール(モバゲー内から送る事ができる「ミニメール」の受信を通知するメール)を目を通さずに削除していると、新しく来た一通のメールの送信者のアドレスに目が留まった。info……、モバゲーの運営からだ。運営会社がクズ企業として有名なモバゲーでも、さすがにこういった対応はちゃんとしてくれるのだな。そう思いながら、そのメールを開いてみた。

件名:【重要】強制退会について
本文:
こちらはモバゲータウンサポートです。お客様のご登録は[ルール&マナー][利用規約]に違反する行為が確認されましたため、退会とさせていただきました。今後当サイトをご利用いただくことができません。
違反理由:サイトの荒らし行為、当サイトが不適当と判断したもの


モバゲータウンサポート


 まず、メールを開いて件名を見た瞬間、顎が外れるとはこういったことだな、と即座に思ってしまったくらい驚いた。何だ、このそっけない文章のメールは。たったあれだけの行為と、この短い通知メールで強制退会処分とされてしまうのか。モバゲー運営の酷さについては前々からかなり聞いてはいたが、これほどのものとは思ってもいなかった。


 一度強制退会処分を受けたら最後。もう端末番号を変えない限り再入会は出来ない。私が時間をかけて作り上げた功績は一切捨て去られてしまう。そんなのあんまりだ。それに、モバゲーの、自傷中高生研究としての環境は他では味わえない程大変優れた空間であったのに。もう私は、「中高生研究家」と自称することすら出来なくなったような気がする。それまでモバゲーを知らなくても名乗っていたにも関わらず、なのにだ。それほどまでに、モバゲーとは偉大なる場所だった。


 もう私はこの事によりメインストリームから完全に除外されてしまった。自業自得。何故私はこの事態を予測できなかったのか。リストカッターがああいった馬鹿であることは分かっていたはずだ。原因は一つ、モバゲーユーザーよりも完全にモバゲーの運営を見くびっていた。あそこまでの稚拙運営ぶりと、ユーザーの反感などもろともしない切り捨て能力を持っているとは全く思っていなかった。


 私にまた仮想敵が出来た。モバゲータウン並びに運営元の株式会社ディー・エヌ・エー。私は負けない!必ずお前達をぶっ潰してやるからな!そう決心し、私はとりあえず兄の携帯電話を使い、モバゲーに再入会した。私はまだまだメインストリームに居たいんだ。今度はひっそりと頑張っていこう。自称中高生研究家から中高生研究家への道のりはまだまだ長い。そう、キモオタのくだらない自慢話のように……。(終)

美術部キャラは何故あそこまで魅力的でかわいいのか

しかし実際の美術部だと腐女子ばかりなのは何故ですか
あなたたちもしかして男性器の模写をする為に入ったのですか
久しぶりに先輩のサイトを見たら『おおきく振りかぶって』に変なはまり方をしたらしく、イラストコーナーがいかがわしい絵ばかりになっていました
先輩、やおい談義ばかりに花を咲かせている部員の愚痴を私に漏らしたあの日を忘れましたか
どおりで最近電話をくれなかったわけですね
先輩、悲しいです

小6女児メイドカフェ潜入記

最近、「女児」という表現が妙に気に入っている。
そんなことはさて置き、2005年、「電車男」が書籍化、映画化、と来てドラマ化され日本全国がオタク文化(っていうか秋葉原)が注目され、アキバに一般人がナナナナ流れてキタ!とキモオタが油と唾液を撒き散らしながら憤慨していた、そうあの夏。私は情報収集と友人へのネタ提供の為に秋葉原メイドカフェに潜入した。今日は、そのときのことを今更ではあるが、私の個人的な思い出としてお話したいと思う。一部偏見に充ちた印象操作にも取られるような表現があるかも知れないが、怒らないで欲しい。


秋葉の夏は暑い。それまで何度も秋葉原には行った事あったが、あの夏は特別暑かったような気がする。本当にあの夏だけは、世界のどの都市部よりも秋葉がヒートアイランド現象の解説例に生り得る、そのくらいの異常な暑さを感じた。


「アレ電車男っぽくな〜い?(笑)」
「うわ、キモ!本当にいるんだ(爆笑)」
耳をすませば、本当にそんな事が聞こえてきた。そんな罵声は一部ではあったが、今まで秋葉を知らなかったと思われる一般人(カップル、家族連れなど)が旧来のオタクを見物にするかのように千里眼を光らせ、動物園の珍獣コーナー*1を檻という名の圧倒的な絶壁の上から見下ろすかのような面持ちで歩いていた。


あの年、間違いなく世間のイメージはオタク=メイドカフェになっていた(それは現在も同様かもしれないが)。そしてオタク界でも、メイドカフェブームの絶頂期だったのかのような気がする。秋葉原をただ練り歩くだけでも、一般人とオタクの混沌とした空間が楽しめたかも知れないが、やはり先述のことを考えると、メイドカフェに潜入すれば一般人対オタク、言い換えればクリーン対ヘドロの異様なバトルが発生しているだろうと考えた。もっとも、ヘドロが勝手に敵対心を燃やしていただけなのは言うまでもないが。


私はメイドカフェに潜入する前に、しばらく秋葉の街をブラつくことにした。フィギュアショップで下から舐めるように薄汚い笑みを浮かべフィギュアのパンツを確認しているオタクを見物し、個性的な行動に感動を覚えていたら何故か吐き気が催してきたので、逃げるように書店へ向かい買い忘れていたマンガを買い込んだりした。そうして、普通に秋葉をいろいろと楽しんだ後、先ほど見つけておいた駅から歩いてすぐにあるPというメイドカフェへ向かった。


「おく、あ、おかえりなさいませ〜お嬢様」
メイドはそう言って、夏休みとはいえ平日なのに満員御礼な店内を見て呆気に取られている私を向かい入れた。台詞を噛んだことは覚えているのだが、本当にこう言ったかどうかは覚えていない。たしかこんなはずだったと思うのだが、何せ2年前の事だ。それにそのメイドは、顔も薄けりゃ与える印象も薄い一般的な平面顔の女だったので。


あじゅじゅあ、た、ただいま〜」
内心は人の身体的特徴を馬鹿にしていた私だったが、店員や客の雰囲気に呑まれてしまい、つい言うつもりもない痛い返事を変な接頭語をつけつつしてしまった。それを聞き、他のメイドと目を合わせて笑うメイド。殺すぞこの平面、と言ってやりたがったが、そんな風貌でもない私はそのまま口を噤んだままだった。今思えば、こうやってその事を発信してやるのが、唯一の解消法だったのかも知れない。


席へ通された私は、メイドのうざったい接客をしばらく受けた後、やっと一人になれたので、兄の部屋からわざわざ持ってきたライトベル『イリヤの空、UFOの夏』をブックカバー使わずわざとらしく広げ、適当なページを捲り読むふりをしながら周りの音に耳を澄ました。


「アキバはボ、ボ、オレたちの聖地なんだ!!あいつらにけ、け、汚されてたまるか!フシューフシュー」
メイドさんさぁ、はっきりいって迷惑しているでしょ?キモいって言ってやったほうがいいよ(笑)」
「あ、あ、あやつらたたた大衆はさっさと死んだほうが、い、い、いいいですよねねねw」
「ま、2ch見てても思いますよ。最早オタクは稀少動物でしかないんですよね(クイッ)」
「私は電車男の弊害が原因だと思いますね。ま、ま、まぁ、私ぐらいになるとリアル・タイムで読んでいたんですけどね(早口)」
私は、ずっと笑いを噛み殺すのに必死だった。そんなヘドロ(一部クリーン)の痛い会話が、あちこちから聞こえてきたのだ。それでも、メイドさんはひとつも嫌な顔をせず(顔は明らかに引き攣っていたが、ヘドロには分からなかったようだ)、「そうなんですかぁ〜」などと適当に当たり障りのない返事をし、会話を続けていて心底尊敬した。


そして数十分が経ったか、思わずページを捲る演技も忘れてしばらく楽しんでいた私であったが、これ以上同じようなヘドロのうめき声を聞いていては中耳炎になってしまいそうな気がしたので、オレンジジュースを一気に流し込み、店を出る準備を始めた。録音機器持ってくれば良かったなぁ〜、と思いつつ本をしまい、携帯電話と財布をバッグから取り出していると、事件は起きた。


「き、き、貴様ぁぁあああぁあ!!ことねちゃんに迷惑をかけるなあああ!!」
突然一人の男の叫び声が聞こえてきた。店内は静まり返り、誰もが声の聞こえる方向に目を向けた。私も例外ならずその声の先を見てみると、一般男性二人組みの客とメイドさんがやり取りをしている席の横に、冷房が効いているのにも関わらず汗と油が浮いた小汚い横幅と縦幅の数値が同一だと見られるキモオタが、猫背ながらも存在感を放って立っていた。


「き、き、貴様なぁ!ことねちゃんはお前らバカの相手をしている暇はないんだぞぉ!!」
注目集まるなか、さらにそのキモオタはそう言い放った。そしてなんと、そのキモオタは二人組みの片方に殴りかかるモーションを始めた。それを見守っていたみんな、本当に絶句していたと思う。しかし、私は見ていた。すかさず、その殴られそうになっている男性がキモオタのすねを強く蹴ったのを。


「ぐうぉあぉおー、あいたーーーーーー!」
次に聞こえてきたのは、豪快に床にこけたキモオタの悲痛な叫び声だった。店内に、本当にこれ以上ない苦笑いをする声と、本気で笑う声が混じり合った異様としか呼べない空気が流れていた。


「大丈夫ですか?立てます?」
殴られそうになり、すねを蹴った張本人の一般男性は、キモオタにそうやさしく声をかけ、手を差し伸べた。これには周りのオタクも一般人も、そしてメイドさんも思わず感動。キモオタには蔑視の目しか向けられず、あの場にておいては完全なる「一般人>オタク」の図式が完成していた。しばらくすると、警備員と思わしき男性が駆けつけて来て、キモオタは裏へ連れられて行った。


店内には、もうヘドロなイメージはなく、すっかりクリーンになったと思えた。張本人ではないとはいえ、他のオタクたちも心を入れ替えたのであろう。耳をすましてみても、先ほどの事件についての意見は、一般人もオタクもみな同じ物だった。それは雰囲気からも、確実に伺うことが出来た。


そして、私は会計のときに先ほどの件の当人であるメイドさん(ことねちゃん)に聞いてみた。そうすると、事件の発端を彼女はこう語った。
「お客さ……あ、ご主人さまが注文されたお飲み物に、私の指が入っていたみたいなんです。それをお、ご主人さまがご指摘になっていたら、あのご主人様が突然怒鳴りだして……」
なるほど、彼は完全なるストーカー体質のキモオタだったわけか。それは大変でしたね。私はそう納得し、お礼を言って店を出た。


店を出ると、キモオタが街には溢れていた。私はそれを見て、また落胆した。この世には、まだ事件を起こしていないが彼のようなキモオタがまだたくさん存在するのだろう。いつまでも自分のスペックを自覚せず、愛をおくればそれだけ愛が返ってくると思っている彼等をどう扱うか。そしてオタクがもてはやされるこの風潮。これは大変な問題だと私は思った。


そう考えながら、私はあのメイドさんの手元にキャップのはずされたボールペンと、可愛らしい文字でメールアドレスが書かれてあったメモが置いてあったのを思い出した。その後、あのメモをメイドさんが誰に渡したのかを考えると、まだまだ普通の世界であると思い、私は嬉しい気持ちになった。

*1:そんなコーナーがあるのかは知らないが、あったとしてもその動物園の一コーナーの方が秋葉原よりも幾分可愛らしいと思う。

秋葉で絶望

小学生の、四年生の時。兄と二人でオタクを見に行ったのよ秋葉まで。あたしは他のオタクなんか興味なかったけど。着いて驚いた。見渡す限りオタクだらけなのよ。道の向こうにいる蛆虫みたいなオタクがびっしり蠢いているの。日本のオタクが残らずこの空間に集まっているんじゃないかと思った。でね、兄に聞いてみたのよ。ここにはいったいどれだけのオタクがいるんだって。休日だから五万人ぐらいだろうって兄は答えた。買い物が終わって駅まで行く道にもオタクが溢れかえっていたわ。それを見て、私は愕然としたの。こんなにいっぱいのオタクがいるように見えて、実はこんなの日本のオタク全体で言えばほんの一部に過ぎないんだって。家に帰って電卓で計算してみたの。日本のオタク人口が一千万ってのは雑誌*1を読んで知っていたから、それを五万で割ってみると、たった二百分の一。あたしはまた愕然とした。あたしなんてあの秋葉にいたオタゴミ*2の中のたった一人でしかなくて、あれだけたくさんに思えた秋葉のオタクたちも実は一つかみでしかないんだってね。それまであたしは自分がどこか特別なオタクのように思ってた。アニメを見るのも楽しかったし、何より自分が他のどのオタクにも負けていないように思っていたのよ。でも、そうじゃないんだって、その時気づいた。あたしが一番のオタクだと思って尊敬していたオタクの兄も、あんなの日本のどこにでもありふれたオタクでしかないんだ。日本全国のすべてのオタクから見たら普通のオタクでしかない。そう気づいたとき、あたしは急にあたしの周りの世界が色あせたみたいに感じた。夜、深夜アニメを寝ずに見るのも、休日朝起きてアニメ・特撮を欠かさず見ていたのも、どこにでもある、みんながみんなやってる普通のオタク的日常なんだと思うと、とたんに何もかもがつまらなくなった。そして、世の中にこれだけのオタクがいたら、その中にはちっとも普通じゃないオタク人生を送っている人もいるんだ、そうに違いないと思ったの。それがあたしじゃないのは何故?小学校を卒業するまで、あたしはずっとそんなことを考えてた。考えていたら思いついたわ。高レベルオタクには待っててもなれないんだってね。中学に入ったら、あたしは自分を考えてやろうと思った。新作アニメを待ってるだけのオタクじゃないことをオタク界に訴えようと思ったの。実際あたしなりにそうしたつもり。でも、結局は何もない普通のオタク。そうやって、あたしはいつのまにか中学二年生になってた。少しはオタクレベルが変わるかと思ってた。


まるで小学校弁論大会の出場者みたいにクルスは一気にまくしたて、書き終えると書いたことを後悔するような表情になって投稿ボタンを押した。

*1:立ち読みしたネットランナー(笑)。

*2:通称「人混み」

日本中から熱烈な反響、事件から一夜明けて。

このブログ、そしてメンヘル自慢する馬鹿について書いたエントリーやそれに対してもらったコメントの返答を書いたエントリーが昨日から予想外の反響が起こしている事はこのブログをブックマークやアンテナ等に入れている方なら知っていると思う。
コメント欄、ブックマークコメント、そして2chなどでの反応も驚くべき物であったが、私が半ばギャグで書いた「苦情や質問など、個人的に言いたいことがある人はメールください」に対する反応の大きさに一番驚いた。
なんと、現在までに受信したメールの総数は51通。これは、一昨日書いた一番の人気エントリーのブックマーク数をも上回る数字だ。
そのメール受信数の凄さも然る事ながら、何よりメールその物の文章が強烈な物ばかりで驚いた。
なので、今回はそのメールの一部を紹介し、それに対する返答を行いたいと思う。
紹介するどのメールにも返信、許可の申請は行っていないが、メールアドレス、電話番号、本名、そして顔写真等の個人情報の公表はしないのでそれで許して欲しい。
ちなみに、「クルスくん、謝罪エントリあげないと訴訟する。どっちか選んで。24時間あげる」のような精神異常としか思えないコメントには頭を抱えてしまうので、できれば勘弁して欲しい。
それでは早速メールの紹介に移りたいと思う。

件名:日記の感想
本文:
男性の性器を舐めている女性の画像

この人は一体何を考えているのだろうか?
本文は無く、ただ男性の性器を舐めている女性の画像だけが添付されたメールが10通も連続で送られて来た。
画像でこそ私がモザイクをかけているが、実際に送られて来た画像は一切のモザイク加工がされていない無修正画像だった。
私のような女子にこんなセクハラをして何が楽しいのであろうか。私には到底理解できない。
フィッシングタイトルもあり、とても不愉快にさせられたメールであった。本当に今すぐ死んで欲しい。

件名:素敵な文章に心を打たれました
本文:
初めまして、○○と申します。
貴方様のブログ、先ほど拝見させて頂きました。
そして貴方様のとっても素敵な文章に心を打たれてしまいました。
年齢に合わずとても素敵な考え、文章力を持っている貴方様にとっても興味があります。
そして、個人的に貴方様にお会いしたいと考えております。
もし良ければお会いして頂けませんか?
貴方様は地方在住という事ですが、私は何処にでも飛んでいく覚悟であります。
是非、ご一考お願いします。
(以下住所、電話番号、本名、そして顔写真)

○○さん、熱烈なラブレターありがとうございます。
失礼ながらもあなたのメールアドレスを調べさせて頂いたところ、ToHeartシリーズに対する思いを6年にも渡って書き連ねている日記を発見してしまいました。
その日記を読む限りでは、あなたの私への愛情はToHeart2に登場する向坂環さんと比べると大変薄いものと感じてしまいました。
なので、残念ながらあなたとお会いする事はできません。
種田さん、これからもタマ姉とお幸せに!

件名:意見
本文:
こんばんは。○○というホームページを運営している○○といいます。
krusさんのメンヘラのひとたちを侮辱する日記は絶対許せません。
削除を要請します。同意する方の意見を集めたので↓を見てください。
(URL略)

こんばんは。
サイトに載せている10人のメンヘラの同意からなる削除要請文と、それに合わせてそこにあったあなたの日記も読ませていただきました。
とてもその冷静なメールの文章からは考えられない、私に対する予想を超える怨みっぷりには本当に驚きました。
特に、「あのクソ中学生探し出して無理やり手首切ってやろうか・・・」という一文には、思わず身の毛がよだってしまったほどです。
要請文というより、脅迫文にしか思えませんでしたが、あなた方の意見は真摯に受け止めさせてもらいます。
わざわざメールによる削除要請ありがとうございました。ちなみに、削除はしません。


いつの間にか文体が変わったところで、メールの紹介はここまでとさせていただきます。
とりあえず、強烈だったものを3通ほどピックアップさせていただきました。
他にもおもしろいメールはいっぱい来ているのですが、時間の関係上終了とさせて頂きます。
ちなみに、「クソすぎ」「ネタにしてもつまらない」等の発言はやめてくださいね。
これ、全てノンフィクションですから(いや、本当に)。


それでは、これからもみなさんからの熱烈なファン・メールを待っていますね。

―追記(19:21)
別に、変なメールが来て怒って晒しているわけじゃないですよ(わかってるだろうけど念のため)。