『オナニーマスター黒沢』完結に寄せて2――北原に鍵を授けた黒沢

aaa 2008/04/04 04:54
取り合えず指摘させてもらうと北原が好意を持ってたのは長岡の方な。つってもろくに本編を見もせず斜め読みしてたあんたには長丘がどのキャラだったか覚えてすらいないだろうが・・・評論家の真似事してオナニーに耽りたいならせめてまともに本編を読んでから言おうなw穴だらけの曲解妄想は勘弁してくださいよ、と。
http://d.hatena.ne.jp/krus/20080401/p1#c

 ひとまず、わざわざ指摘コメントありがとう>aaa。本当にコメントくれることはありがたいのだけど、お前の頭の悪さとそれによる怒りをこの記事にぶつけないでください。まずコメントするなら推敲しろ(「長丘」なんてキャラ、たしかに覚えていない)と言いたいが、私も推敲はしていないので(推敲しなくとも成り立っているから構わない)これは大目に見てやるとして、最初にひとつ答えるとすると、「穴だらけの曲解妄想」って具体的に、何? 何かに突っ込むとき「穴だらけ」「突っ込みどころ満載」と言うのは簡単だけれど、それには「突っ込みどころの具体例」が伴わなければならない。だけど君のはそれが伴っていない。君が具体的に「穴だらけの曲解妄想」の例として挙げているのは「北原が好意を持ってたのは長岡の方」のひとつだけ。これに対しての返答は後述するとして、「穴だらけ」なのに、具体例が一つしかないって、これは突っ込みとしては頭が悪過ぎやしませんか。でも貴方みたいな人って実は多くて、それの最たる例が、批判の根拠として挙げている例は一つなのにその例に「〜など」と付随させ、他の例は挙げられもしないのに、あたかも批判の根拠(=「突っ込みどころ」)がそれだけでなく複数であると示唆する人。それと全く同じことが貴方に対しても言えるわけで、実際に今そう言っています。だから貴方がするべきなのは、私の書いたこの記事が内容が本当に「穴だらけ」であることを示す具体的な根拠、問題点の例を挙げること。一つの例しか挙げずに「穴だらけの曲解妄想」と断じるのは最低。OK? OK!

 そして次に、君が唯一挙げたその「穴」を検討する。「北原が好意を持ってたのは長岡の方」というのが君の言う、この記事が「曲解妄想」であるという根拠だ。しかし、これも、君の方が間違っている。その批判は、この記事の「北原(引きこもりメンヘルリストカッター)が簡単に部屋を出てしかも黒沢に好意を持つ」との記述の部分に対してのものなのだろうけど、よく考えて(そして読んで)みて欲しい。確かに北原は長岡のことが好きだった、そして長岡と付き合いだした滝川を恨み、滝川の「制裁」を、黒沢に命令した。確かにここまではそうだったろう、好意どころか、その制裁に反した黒沢を北原は恨んでいることだろう。だが最終話、部屋に引きこもりメンヘルリストカッターとなった北原を説得し部屋から出させ、クラスの同窓会に連れ出すことに成功した黒沢は、その同窓会までの道中の北原との会話において、自分の現状についてこう語る。

北原「高校…辛くない?」
黒沢「ん?」
北原「親しくしてくれる友達もいなくて独りなんでしょ?」
黒沢「まあね…オナニーマスターの称号はそう簡単には返上できないみたいだ/でも…なんとかやれてる/今はなりたいものもあるし/それに気になる人もいるんだ」
北原「それって女の子?」
黒沢「ちょっとガサツで不良だけどね」

 そして北原は、寂しげな表情で「そうなんだ…」と返答する。なんと素晴らしい、なんと美しい名シーンだろうか。これが私が、北原が黒沢に好意を持った、と言う根拠である。と、少し脱線するが、もう一度吟味するようこのシーンを読み返すと、ご都合主義として「黒沢に北原が好意を持つ」というのはかなりとんでもだった。何もご都合的でもなく、至極当然である。この場をかりて訂正・謝罪します。ごめんなさい。少し言うと、ご都合主義的なのは北原が簡単にドアを開くことか……。でもそれは北原の性格(後述)を考えるにそうでもない、か。どうも本当に申し訳ありません。で、戻る。その後、黒沢は「その子(須川)をどこかに誘ってみようと思うんだ」と北原に心情を告げる。それに対し北原はしばらくの沈黙の後「怖くないの?」と問う。そして黒沢は、過去とは見違えるほど逞しく勇んだ顔立ちで、こう答える。「怖いよ/断られたらガラにもなく落ち込んでしばらく立ち直れないかも/でもさ/もう/言いそびれるのはイヤだろう」。それを聞き、先ほどよりも増し、寂しげで悲しげな表情をする(目のアップの横長カット)。本当に素晴らしい名シーンである。黒沢の決意の言葉を聞いての北原の表情が意味するものは何か。それは、「長岡へ/黒沢へ思いを伝えられなかった(伝えられない)」という、二つの思いだ。北原の性格は――いや、北原が長岡を好きになった理由とは何だっただろうか。それは「こんな私にも他の人と分け隔て無く優しく接してくれた」という長岡の優しさ、だ。そしてこの北原の性格こそ、言うまでもなく、私が「北原が黒沢に好意を持った」とする最大の根拠でもあるのだ。引きこもった私のところへきて優しくしてくれた、ただそれだけなのである。

 これでもう明らかとなった。「斜め読みしてた」のはどちらであるか? それは間違いなく、私ではなく、貴方である。どうせ、貴方みたいな人はコメントするだけで満足なのだろうしこんな返答をしたところで意味がないのかもしれないけど、ここにこうしてちゃんと返答を書いてみると、思わぬ発見や自分のミスに気づくことができるし、再読や再考の必要があると感じた。はっきりとあの私の記事は(使えるところもあるが)カスであるとも理解した。そういった意味で、貴方自身には何も思わないが、わざわざコメントをくれたことには本当に感謝したい。

 この作品の発するメッセージはオーソッドックスで、ただ一つ。同窓会の焼肉店を前にして、不安になり怖気付いてしまい、足を踏み出せない北原。そんな北原を黒沢は抱きしめ、そしてこう言う。

「毎日教室で顔を合わせてたはずなのに変だよな/でも気づいたんだよ/僕たちはいつもドアを隔ててたんだ/ドアを開けてごらん/きっといつもとは違った僕やみんなに会えるから」

 素晴らしい、あまりにも素晴らしい台詞である。そう、メッセージは単純明快。「ドアを開けてごらん」。黒沢は北原にそう告げ、北原は自らの扉を開ける鍵を授けられたのだ。そして北原は自らの扉を「解錠」することに成功したのだ……。テレビドラマ『ギャルサー』において藤木直人演じるカウボーイも言うように(笑)、「ドアを開け」なければ「世界は闇に包まれたまま」なのである。

 Open the Door――
 そう、大学新入生あたりは、「入学早々ひとりぼっちで家で読書してる孤独な(ので、哲学チックな)オレ」とか痛い自己像に浸っていないで、さっさと新歓コンパにでも顔を出すところから始めるのが良いんじゃないかな……(謎)。でも、その結果として「努力したけど意味なかった」と(本当は努力してないのに)憤怒したりするのは最悪ですが(笑)。


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